入居者が亡くなりました

不動産賃貸業を始めて8年近くになります。
希望者に住まいを提供して対価を得ているわけですから当然その日が来ることは頭の片隅では意識していました。
実際にそのような状況になった方のブログなどを拝見することはありましたが対岸の火事のような意識もありました。

私がその物件を購入したのは競売で2年ほど前です。
競売の3点セットにはその時点で既に家賃の支払いが1カ月遅れていると記載されており落札した後の入金に若干不安を覚えた記憶があります。
私が落札してオーナーが代わった後は遅れていた家賃もちゃんと支払ってくださりその後、遅れることはなく非常に律義な方でした。

私がその入居者と最後に会話したのは1年近く前です。
有限会社の代表をされている方で年は40代前半と私と大して変わらない歳です。
クーラーが効かないので対応して欲しいと電話がかかってきたので、業者を手配するのでクーラーの型番を教えて欲しいと伝えました。
しかしその後、連絡がなかったのでクーラーが動くようになったのかと思いそのままにしていたのですが、後日入居者の法人の事務の女性の方から入院したと連絡があり今後は法人から家賃を支払うと連絡がありました。

その女性の方からは数カ月前にも連絡がありました。自宅のポストのカギの開け方がわからないので教えて欲しいというものでした。
私はその時点で入院してから半年以上は経っていたのでまだ入院していたのかと少し驚きました。
とはいえまだ40代前半の方なのでしばらくしたら退院すると思っていました。
実際賃貸借契約を解約することはなかったということもそう思った理由です。

今日の昼にまたその女性から連絡がありました。
「実は契約している○○の件ですが・・・」と切り出された時点で全てがわかってしまいました。
電話ごしでも憔悴した感じが伝わってきたのですが契約は7月末で解約することと、荷物はそれまでに責任を持って家族が引き取ることと、汚してしまった室内は綺麗にするので費用を負担すると伝えてきました。
入居者の方も私との契約のことと室内のことを最期まで気にかけていたそうです。
私も戸惑っていたので「室内のことは敷金を預かっているはずなので大丈夫ですよ」と伝えたのですがよく考えれば競売で落札したので敷金を預かったのは競売にかけられる前の所有者であり、私には敷金返還義務は無かったです。
ですので原状回復費用は入居者に請求できると思いますが請求するつもりはありません。
クロスを随分傷めてしまったと言っていましたがそもそもクロスの償却期間は6年で、多分その入居者はトータル6年くらい契約しているはずですので原状回復義務はありません。
それ以外に何か設備が壊れていたとしても家族の方に請求はとてもできません。
ただご冥福をお祈りする気持ちでいるのですが、電話で会話している間も「ずっと入院していたということは事故物件にはならないな。」などと考えてしまう自分が嫌になりました。

家族の方が荷物を撤去されたらすぐに原状回復を行い募集活動に入りたいと思います。
区分を複数持っていますが区分の入居募集をするのは4~5年ぶりです。
ずっと退去もなく住み続けて頂いている方ばかりで恵まれているのだと改めて思いました。


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