郵送契約(持ち回り契約)手続きに関する危険性について

概要

2棟目アパートの申し込みを通じて郵送契約(持ち回り契約)での手続きについて危険だなと感じたことを記載します。

新築アパートの特性

通常入居希望者は部屋を探す際に以下のプロセスを経て契約します。

内見→申込→審査→重要事項説明+契約→鍵引渡→入居

契約時には宅建士が「重要事項説明書」を対面で説明する義務があり、説明後に「契約書」に記名・捺印を行います。

ですが新築アパートの場合は繁忙期に竣工することが多く、遠方の入居希望者が4月からの就職・進学などで住む場合は内見時には見に来ますがその後は地元へ帰ってしまいます。
遠方の入居希望者の場合、契約のためにわざわざ仲介業者の事務所に来店することは少なく大抵の場合は郵送契約となります。
新築アパートの場合、郵送契約となるケースは非常に多いと感じます。

郵送契約のリスク

郵送契約の場合、貸主・借主が持ち回りで契約書に記名・捺印を行う形になります。
この場合のリスクとして契約時の「重要事項説明書」の説明が省かれてしまいます。
これは宅建業法的にはNGですが実態としてはほとんどの業者が郵送契約を行っています。

ではいつ「重要事項説明書」の説明が行われるのか?というとそれ自体が行われない場合もありますが、大抵の場合は鍵引渡の際に行うケースが多いようです。

従って以下のプロセスになる場合が多いです。

内見→申込→審査→契約→重要事項説明+鍵引渡→入居

ですがこれはもはや形骸的なものに過ぎず、本来は契約前に貸主・借主の保護のために説明が必須となっているのですが、契約後に「重要事項説明書」の説明を行って入居者の認識違いなどが発覚しても時既に遅しといった形になります。

入居者にとっても不幸ですし、オーナー側にとってもトラブルの種となります。

私のケース①

2棟目アパートの申し込みを通じて「入居者が遠方のため郵送契約します」と言われることが多かったです。

その際に「事前に宅建士による重要説明はしないのですか?」と聞いたところ大抵は「時間が合えば行います」とか「鍵引渡の際に行います」などと言われてしまいます。

大手仲介業者ならまだしも零細仲介業者でしたら説明自体行われるか怪しいと感じました。

私のケース②

去年末に1棟目アパートに契約した入居者ですが、アパートの駐輪場に空きがなく、契約時に「駐輪場に現在空きはありません」と宅建士は説明したと言っているのですが、「そんな説明は受けていない」とクレームを言ってきた入居者がいます。
※この入居者とは現在もトラブルが続いています。

従って契約前にしっかりと「重要事項説明書」の説明が行われるかについてオーナー側はウォッチしておかないと思わぬトラブルに巻き込まれますが、実際問題として遠方の入居希望者が契約手続きのためだけに上京するのは現実的ではありません。
また、宅建業法を盾にとってオーナー側も「重要事項説明書」の説明必須に固執すると「面倒くさいオーナーだな」と思われて仲介業者から紹介を敬遠されてしまう可能性もあります。

このあたりのことを仲介業者に話すと大抵はバツの悪そうな感じになってしまいます。
業界全体的にグレーな感じで行われているのが実情のためです。

現実的な妥協案

結局のところ契約時に「重要事項説明書」の説明を必須にしてしまうと入居希望者からも遠方から契約のために上京せざるを得ず難色を示されてキャンセルとなってしまうので諦めざるを得ませんでした。

かといって「重要事項説明書」「契約書」を送って「記名・捺印してくださいね」っていう形ですとほとんどの場合、内容を見ないまま記名だけして契約書が返送されてしまいます。

従って私の場合は以下のように伝えています。

可能な限り契約時には事務所に来店して対面で契約すること

やむを得ず郵送契約となってしまう場合でも仲介業者と入居希望者の間でメール、電話で密に連絡を取って入居希望者が理解しないまま契約することは避けること

※特に特約の内容などは必ず入居希望者に理解させるよう促しています。
そのうえで鍵引渡のときに改めて対面で「重要事項説明書」の説明をして頂くことで認識祖語などのリスクは減ると思っています。

これでリスクが完全に回避できるとは思っていませんがオーナー側が目を光らせていないと非常に危険だと感じました。

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