原状回復費用の請求に対して入居者からの異議

1棟目アパート運営

概要

退去した1棟目アパート302号室の原状回復費用を入居者の父親に請求しましたがまさかの納得してもらえませんでした。

原状回復費用

入居者の父親に請求した金額は敷金超過分として14,238円でした。

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請求した内容は下記3点です。

①クリーニング費用

室内の汚れ具合に関わらず全ての入居者からクリーニング費用は借主負担として頂いているので請求しました。

②洗面台交換に関する費用

入居者が洗面ボウルとキャビネットを割ってしまったので交換に関する費用を全て請求しました。

③事前に頂いていた賃料から超過分の費用

元々7月20日に退去するということで20日までの賃料を頂いていましたが実際は22日の退去立ち合い時に荷物が散乱していました。
従って22日までの賃料を追加で請求しました。

上記以外のグレーな部分(CFの破れ、クロスの破れ、フローリングの傷、壁に開けた穴など)は全て請求しませんでした。

更に費用も当初想定より安価な業者に頼むなどしたので問題なく了承されると思っていました。

入居者父親からの異議

ところが入居者の父親からは了承して頂けませんでした。

通常の退去立ち合いでは②や③といった費用請求をすることはないのでこちらに関して多少減額を求めるなどでしたらわかるのですが納得してもらえなかった内容は①のクリーニング費用でした。

入居者父親の言い分は下記の通りでした。

賃借契約書にクリーニング費用に関しての特約はないので賃貸人の負担が原則のはず

⇒入居者父親はネットなどで色々調べたようで原状回復ガイドラインには清掃費用は原則賃貸人負担と記載されているので原則賃貸人負担であるべきとのことでした。
東京都の場合は特約で原状回復を借主に負担して頂くことができ、現実としてはほとんどの賃貸人は清掃費用は借主負担にしています。
私の契約書にも特約に「原状回復費用は借主負担とする」と明記しています。

今回退去した部屋は写真のように汚損が激しく原状回復するうえで清掃業者に依頼するのは必須であり当然借主に負担頂くべきだと思っています。
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私が過去に退去となった部屋でクリーニング費用の支払いに対して納得してもらえなかったのは初めてです。

クロスの破れに関しては、耐用年数6年の減価償却を考慮しても、補修費用は㎡単位50%の数千円程度と考えられ、クリーニング費用との相殺では負担しすぎる

⇒入居者の父親が誤解していたのは「本来貸主負担である清掃費用をクロスの破れと相殺して不当に請求しているのでは?」と思ったようでした。

クロスの破れについては一切請求しておらず、相殺しているつもりもなかったです。

また、破れた部分の補修についても「クロスの6年償却に対して3年住んでいるのだから補修費用で払うのは50%でいいでしょ?」という理論です。

クロスの破れた部分のみを業者に補修依頼した場合、少なくとも2万円以上はかかるので数千円では収まりません。
クロスの補修の場合は貼りなおす面積に応じた材料費と作業代の他に職人さんを呼ぶ費用が発生するのがわかっていませんでした。

また、破れた部分のみを補修してもクロス全体のグレードアップにはならず、破ってしまった部分についての補修費用は全額借主負担とするのが妥当なはずです。
全面貼り替えなら50%負担とするのはわかりますが、補修費用について減価償却を考慮して50%しか請求できないなんてことはあり得ません。

防犯カメラを長期間未設置による契約違反を考慮して欲しい

アパート設備に防犯カメラを設置すると明記して募集していましたが技術的な問題などもあり設置が大幅に遅れてしまいました。
そのことを今になって取り上げてきました。
ちなみに設置が遅れていた際に入居者からクレームなどは一切来ていませんでした。

原状回復の際に他のことを持ち出されてくると話がどんどん拗れてくるのですが・・・。
こういったことを言ってくるのならこっちも入居者が度重なる契約違反を繰り返してきたことを追求せざるをえなくなります。

入居者父との交渉

とりあえず上記のような回答をメールで伝えたうえで「納得いかない場合は当時の仲介業者へ連絡してください」と伝えました。

ちなみに当時の宅建主任者も原状回復費用としてクリーニング費用は請求すべきとの意見です。

実際入居者父親は仲介業者に相談したようでした。

メールだけのやり取りだと拗れるので翌日父親と直接電話をして東京の賃貸業の実情を説明して納得してもらえました。

やはり父親はネットで調べて清掃費用を借主負担とされることに疑問に思ったようです。
ですが「東京では東京ルールってのがあって実際はほとんどのオーナーは特約で清掃費用を借主負担としているのが現実なんですよ」
「今回の破損や汚損がある前から入居者の娘さんにはクリーニング費用だけはかかりますと説明していますし全ての退去した部屋でクリーニング費用は必ず頂いてるんですよ」
といった感じで説明しました。

最終的には納得してくれて請求した14,238円は振り込んで頂けたので退去に関する手続きは全て終了しました。

一方、私側の落ち度としては特約に「原状回復費用は借主負担とする」といった曖昧な書き方をしていたのが悪かったです。

契約時に仲介業者に「クリーニング費用は借主負担でお願いします」と伝えたところこのような曖昧な書き方で特約に入れられてしまったのがトラブルの一因です。

現在は契約書のひな形を事前に送ってもらって「退去時の清掃費用として○○円を借主負担とする」といった感じで具体的に記載するよう求めているので今後はこういったトラブルになることは少ないと思います。

まとめ

ネットで中途半端に知識を得た人の対応は面倒

退去時の清掃費用は特約に具体的に書くことが必要


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