入居2年未満で退去する理由と対策

1棟目アパート運営

概要

繁忙期中ということで今回は私の「1棟目アパート」を例にして単身物件の空室期間や契約期間について記載します。

単身物件の場合、契約期間が短いことが悩みの種ですので私が実践している対策についても記載します。

アパート入退去データ

こちらは「1棟目アパート」(2015年3月築:18世帯)の入退去に関するデータになります。

“入居者”列のアルファベットは部屋番号で数字は何人目の入居者かを表しています(プライバシーに配慮してAが101号室というわけではない)。

C-5だと既に4回退去されているということです。

入居者 空室期間 契約開始日 契約終了日 契約期間
A-1 2015/3/28 2017/3/25 729
A-2 6 2017/4/1 入居中 1437
B-1 2015/4/25 2017/3/4 680
B-2 12 2017/3/17 入居中 1452
C-1 2015/3/31 2016/6/25 453
C-2 5 2016/7/1 2017/2/11 226
C-3 21 2017/3/5 2018/12/22 658
C-4 13 2019/1/5 2020/1/13 374
C-5 21 2020/2/4 入居中 398
D-1 2015/3/30 2017/9/15 901
D-2 46 2017/11/1 2018/10/31 365
D-3 30 2018/12/1 入居中 828
E-1 2015/4/13 2019/1/25 1384
E-2 30 2019/2/25 2020/9/15 569
E-3 29 2020/10/15 入居中 144
F-1 2015/4/1 入居中 2168
G-1 2015/4/2 2021/3/29 2189
H-1 2015/3/28 入居中 2172
I-1 2015/3/28 2015/12/2 250
I-2 38 2016/1/10 2017/4/18 465
I-3 52 2017/6/10 入居中 1367
J-1 2015/3/28 2018/7/22 1213
J-2 18 2018/8/10 2020/1/15 524
J-3 13 2020/1/29 入居中 404
K-1 2015/5/28 2017/4/30 704
K-2 14 2017/5/15 2019/4/10 696
K-3 4 2019/4/15 2021/4/14 731
L-1 2015/3/28 2017/2/16 692
L-2 12 2017/3/1 入居中 1468
M-1 2015/4/1 2017/2/28 700
M-2 14 2017/3/15 入居中 1454
N-1 2015/4/15 2016/12/31 627
N-2 36 2017/2/6 2018/2/28 388
N-3 11 2018/3/12 2020/1/31 691
N-4 19 2020/2/20 入居中 382
O-1 2015/3/30 入居中 2170
P-1 2015/3/29 2021/2/28 2164
Q-1 2015/3/28 2021/3/27 2192
R-1 2015/5/10 2017/4/25 717
R-2 14 2017/5/10 2018/7/16 433
R-3 32 2018/8/18 入居中 933

入居者数

上記表の延べ入居者数は41人でした。

18世帯のアパートに41人がこれまで契約したということになります。

平均して1部屋あたり2.27回契約しているので、築6年になると平均して1部屋あたり1.27回退去が発生したということでしょう。

空室期間

新築時に入居された方は除いて、退去翌日から入居前日までの日数を表しています。

平均空室期間は21.3日です。

退去前に申し込みが入ることは多々ありますが、契約終了した次の日から契約開始というのは通常あり得ません。

退去前に申し込みが入っても、こちらとしても原状回復がありますし申込者も前の居住地からの縛り(退去1カ月前ルール)などがあって契約開始は申し込み後2週間~1カ月くらい先になってしまうので、必然的に空室期間はある程度発生してしまいます。

私の感覚だと退去前に申し込みが入っても次の契約開始は少なくとも1週間は空いてしまうので、平均空室期間21.3日は限りなく空室ゼロに近い数字だと思っています。

契約期間

契約開始日から契約終了日までの契約日数を表しています。

現在も入居中の方の場合は、契約開始日から本日時点までの契約日数になります。

平均契約期間は938.8日で約2.57年です。

ただこちらは新築時から現在も入居し続けている方の数も含まれています。

退去(予定含む)した方の平均契約期間は804.3日で約2.2年です。

退去した場合でも大体みんな2年以上は住んでくれているんだな!

と思うのは平均という数字のマジックで非常に危険です。

下記の表は退去した方の契約期間を短い順に並べ替えたものです。

赤色の入居者は入居後1年未満で退去

青色の入居者は入居後2年未満で退去

これを見ると退去する方の27名中20名は契約期間2年未満で退去しているのです!

入居者 契約開始日 契約終了日 契約期間
C-2 2016/7/1 2017/2/11 226
I-1 2015/3/28 2015/12/2 250
契約期間1年の壁
D-2 2017/11/1 2018/10/31 365
C-4 2019/1/5 2020/1/13 374
N-2 2017/2/6 2018/2/28 388
R-2 2017/5/10 2018/7/16 433
C-1 2015/3/31 2016/6/25 453
I-2 2016/1/10 2017/4/18 465
J-2 2018/8/10 2020/1/15 524
E-2 2019/2/25 2020/9/15 569
N-1 2015/4/15 2016/12/31 627
C-3 2017/3/5 2018/12/22 658
B-1 2015/4/25 2017/3/4 680
N-3 2018/3/12 2020/1/31 691
L-1 2015/3/28 2017/2/16 692
K-2 2017/5/15 2019/4/10 696
M-1 2015/4/1 2017/2/28 700
K-1 2015/5/28 2017/4/30 704
R-1 2015/5/10 2017/4/25 717
A-1 2015/3/28 2017/3/25 729
契約期間2年の壁
K-3 2019/4/15 2021/4/14 731
D-1 2015/3/30 2017/9/15 901
J-1 2015/3/28 2018/7/22 1213
E-1 2015/4/13 2019/1/25 1384
P-1 2015/3/29 2021/2/28 2164
G-1 2015/4/2 2021/3/29 2189
Q-1 2015/3/28 2021/3/27 2192

入居2年未満退去の頻発理由

上記のように退去した方の27名中20名は入居後2年未満で退去しているということがわかりました。

それではなぜこのようなことが起こるのでしょうか?

おそらく間違いないと思いますが、募集する際の特約にあります。

私も含めて多くのオーナーは賃貸借契約時に特約として「入居後1年未満で解約した場合、違約金として賃料○カ月分の違約金を支払う」といった条項を設けています。

入居者としてはこの縛りがあるせいで入居後1年未満で解約する方はあまりいないのですが、入居後1年を過ぎると解約する方がどんどん出てきます。

更に入居後2年で更新時期を迎えるので更新料を払うという障害も発生するので引っ越しを検討している入居者は結果的に入居2年未満で退去が続出するという形になります。

逆に更新をしてくれた入居者はアパートに対する不満はない方が多いのでそのまま長期間住み続けてくれる方が多いです。

入居2年未満退去の対策

今回このような形で数値化してみて入居開始後1年~2年での解約が異常に多いことがわかりましたが、感覚的に入居2年未満で解約が多いことは気づいていました。

従って去年から賃貸借契約締結時の特約では「入居後2年未満で解約した場合、違約金として賃料○カ月分の違約金を支払う」に変更しました。

変更によるメリットは入居後2年未満での解約は激減すると思います。

変更によるデメリットは縛りがキツクて入居希望者から申し込みが取りづらくなるということだと思いますが、体感としては上記のように特約を変えても募集には全くといっていいほど影響がないです。

ここからは想像ですが、入居希望者が申し込みを入れる際に仲介業者から

仲介業者
入居後2年未満で解約した場合は違約金が発生します

と伝えられても、入居希望者としたら気に入ったアパートだから申し込んだわけですので

入居希望者
トラブルなんかめったに起こらないだろうし少なくとも2年くらいは住むと思いますので問題ないです

と正常性バイアスがはたらくからではないかと思います。

まとめ

今回は私の「1棟目アパート」を例にして単身物件の空室期間や契約期間について記載しました。

そのうえで多くの入居者が契約期間2年未満で退去しているという事実があり、その原因として賃貸借契約時の特約にあります。

対策としては賃貸借契約時の特約を「入居後2年未満で解約した場合」と変更することで効果があると思います。

特に現在は繁忙期中ですので多少オーナー側に有利な条件でも決まる可能性が高いので、もし私のように短期での解約に悩んでいる方が居たら特約を変えるという対策も検討していただけたら幸いです。

よろしければ最後に応援クリックのご協力をお願いします
1棟目アパート運営
スポンサーリンク
シェアする
ヨッシーをフォローする
不動産賃貸業と主夫で経済的自由を獲得

コメント

  1. こんにちは(^^)
    コメントしようと思いつつ、時期が時期だけなので多忙で遅くなりました。

    短期解約違約金ですが、うちのような築古木造や平成ヒト桁のRCはせいぜい1年(それ以上は客付けにマイナス影響)ですが、新築や築浅物件はもっと強気で良いと思います。

    自分なら、新築や築3年以内とかの貸し手の方が強い物件なら

    1年以内退去 → 2ヶ月 2年未満退去 → 1ヶ月

    にします。2年以下ではなく「未満」がポイントです。更新料を払うか、違約金を払って引っ越しするかを選ばせる形です。

    となると、更新する確率が格段に上がります!
    仲介さんは嫌がると思いますが、新築とかは条件をのまないと入居できないので入居者さんは合意する確率が高いと思います。

    ただ、法人契約の時は、違約金NGの法人が多いと思いますので、法人契約の際は、交渉可にするか、礼1増額で違約金削除OKとか、私の物件のように築古物件でADを多く出しているときは、違約金削除に同意する代わりに、AD減額とかそういった感じでコントロールしています。

    参考までに。。。

    • ヨッシー より:

      大家の源さん様

      返信遅くなり申し訳ありません。

      4月1日に入居開始して3月31日に退去した場合は2年未満に該当するってことなんですね。
      入居者からしたら2年ちょうどで解約できないってことになってトラブルになりそうな気もしますがそういう手法もあるんですね。

タイトルとURLをコピーしました