概要
付き合いのある不動産業者から「民泊向けのアパートを手がけることになったから紹介させて欲しい」と言われたので本日会社帰りに説明を聞きに行ってきました。民泊とは?
外国人観光客など個人に対して住宅もしくは投資用の住居を提供する形態です。
ホテルや民宿などの場合は旅館業法というものがあり免許が居るのですが、そういった免許を持っていない個人が住居を貸す場合、色々と問題があるのが現状です。
徐々に法整備などもできてきており、現在は民泊特区と呼ばれる一部地域に限っては合法的に行うことができるそうです。
都内では大田区のみが条例でOKとしています。
逆に言えば大田区以外で民泊をやっている投資家も多数居ると思いますがNGとなります。
私個人としては民泊に対しては否定的であり、過去にもブログで否定的な意見を書いたことがあります。
理由は法的にグレーな事業であることと、将来に渡って安定的に収入を上げられると思っていないからです。
というわけで興味はなかったのですが基本的に不動産の話をするのは好きなのと自宅へ帰る途中にオフィスがあるのでどういった話をしてくるのか興味本位で行ってきました。
提案の内容
「大田区に民泊向けのアパートをいくつかプランニングし始めた」との事です。「最初に5棟企画したがあっという間に売れた」との事でした。
立地:東急池上線某駅 徒歩5分
建物価格:1億2300万円(坪単価110万くらい)
土地価格:1億3500万円(坪単価210万円くらい)
サブリースで家賃保証した場合の利回り5.8%
まあ見た瞬間有り得ないと思いました。
土地価格も池上線という利便性のあまり良くない路線で坪単価200万円以上は高すぎます。
建築費も坪単価110万円は高すぎます。
突っ込みどころ満載だったのでとりあえず以下のようなことを伝えました。
・民泊するのならもっとターミナル駅など利便性が良くないと厳しいのでは
・土地が高すぎる。微妙なエリアで坪単価200万円以上は有り得ない
・建物も業者側の利益を乗せすぎ
(この業者が建てる普通の鉄骨アパートの建築費は坪単価80万円程度)
・民泊の需要もオリンピック後続くかわからない
・民泊なんてリスクの高い事業に投資するにも関わらず利回りが低すぎる
・民泊特区が大田区以外にも制定されたら優位性など吹き飛ぶ
・事業がうまくいかず御社のサブリースの保証賃料を引き下げられたらどうにもならなくなる
立地に関しては、「他にもっと良い立地の物件もあったんですが契約済みでこれしか紹介できないんですよ・・・」とのこと。
「そんな残り物の物件紹介するなよ」って喉まで出かかりましたがおさえました。
業者側もとりあえず始めてみますって感じのようでサブリースで設定する賃料が妥当かどうかもよくわからないそうです。
何でそんな不確定要素満載なものに3億近くも投資しないといけないのでしょうか・・・
「確かに利益乗せすぎですよね~」とも言ってました。
(お前が言うなよ・・・といった感じでしたが)
業者に「この事業のどこに勝機があるのか既に契約した他の方に聞いてみたいです」って言ったら苦笑いしてました。
一般的にリスクとリターンは比例するので、築古物件や地方物件やシェアハウスなどリスクを伴う事業の利回りは高いです。
民泊も当然収入が不安定ですのでかなりリスクのある事業です。
従って新築でも少なくとも10%以上の利回りが出る提案をしてくるのかと思っていましたが、私の斜め上を行く提案だったのでさすがに怒る気にもならず雑談して帰ってきました。
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