概要
前回のブログで、数か月にわたって検討してきたプランを破棄して間取りをゼロから検討しなおす旨を記載しました。
残念ながら現時点においても希望のプランができる目途は全く立っていません。
今回は建築基準法の改正によって希望のプランが建てられるか検討した内容を記載します。
土地概要
まずは今回購入した土地の概要です。
建蔽率:60%(角地緩和で70%)
容積率:200%
準防火地域(準耐火建築物で建築予定)
※余談ですが建ぺい率から建蔽率に表記が変わりました。
施主としては建蔽率、容積率を極力使い切った建物を建てたほうが投資効率は良いです。
延床面積を多くして貸付面積を増やせば建築費用も上がりますが、土地価格は変わりませんので土地を有効活用するためには法的に許されるギリギリの大きさの建物を建てたほうが良いです。
土地価格が低いエリアの場合はそこまで意識する必要はなくなるべく建築費用が抑えられるプランにしたほうが良いと思いますが都内の場合はそうもいきません。
現時点での状況
前回ブログで書いたGW前に建築業者から提示された旧プランの状況はこのような感じです。
建蔽率:69.5%
容積率:188%
建蔽率はほぼ使い切っていますが容積率に若干の余裕があります。
※ただ、昨日建築業者から連絡がありまして上記プランは置床にするなど色々無理をしてまして、地震が発生した際に床下に潜って状況を調査できなくなるなどリスクがあるため提案は難しいと言われてしまいました。。。
それでも感覚的には容積率180%程度の建物は建つと思っています。
建築基準法の改正
さて、ここからが本題ですが平成30年6月27日に「建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)」が公布されました。
その中でも今回ポイントとなる点は下記となります。
「防火地域・準防火地域内において、延焼防止性能の高い建築物の建蔽率を10%緩和」
具体的には現状は防火地域内に耐火建築物を建てれば建蔽率が10%緩和されます(宅建試験でおなじみですが)。
法改正後は準防火地域内内に準耐火建築物を建てても建蔽率が10%緩和されることになります。
※余談ですが法改正が施行されたら今年の宅建試験に出る可能性があるかもしれません。
耐火建築物 | 準耐火建築物 | |
防火地域 | 10%緩和 | |
準防火地域 | 10%緩和(予定) | 10%緩和(予定) |
今後は赤字部分の建蔽率が緩和される予定です。
法改正の施行日は?
上記改正については公布から1年以内に施行されると明記されているため、余程のことがなければ令和元年6月27日までに施行されるはずです。
ただ現時点においては施行に関するアナウンスはありません。
6月10日に国土交通省担当官から法改正に関する説明会が行われるとの事ですのでこの頃には具体的なアナウンスがあるかもしれないと思っています。
法改正の適用を検討
さて、上記のように法改正の施行が目の前に迫っていることを考えると建蔽率が緩和されることを前提にプランの検討を行うことも現実的にアリだと思っています。
3階部分が斜線の影響を受けてしまうので下記のようなプランにしてしまえば斜線はアッサリ交わせますし建蔽率80%、容積率200%も狙えます。
法改正の施行まで待つデメリット
上記の通り法改正が施行されれば希望通りの規模の建物が建ちそうなので待つメリットは十分にあります。
おそらく待っても3月の繁忙期にはギリギリ間にあうでしょうし、最悪繁忙期を過ぎてしまっても都内で新築なので埋められる自信はあります。
ただ待つことによるデメリットもあります。
角地緩和との併用ができるか不透明
現状は角地緩和で10%緩和されます。
準防火地域における緩和でも10%緩和されることになりますが、角地緩和と併用できるかまだ正式にアナウンスがありません。
併用できれば建蔽率は80%となりますが、併用できないと現状のまま70%となりますので待つ意味がなくなります。
※ちなみに現行法の防火地域における緩和と角地緩和は併用できます。
併用が認められないと準防火地域においては角地であっても角地でなくても同じ10%緩和となってしまい角地の優位性が無くなってしまいます。
角地の場合はイザという時に避難しやすいとか延焼が広がりにくいなどの理由で建蔽率が緩和されているので普通に考えれば併用できると思いますけどね。
法改正の施行日が決まってない
上記で書いた通り、現在は令和元年6月27日までに施行されるとなっていますが、現時点でも施行日に関するアナウンスがありませんので万が一、延期もしくは見直しなどとなるリスクもあると思っています。
土地の瑕疵担保責任を問えない
これは私の土地固有リスクですが、仮に法改正施行まで待つと、法改正施行日以降に建築確認申請を行い、建築確認が受理されるのは8月以降になると思います。
建築確認が下りたあとに着工となればその段階で基礎を掘って土地にガラなどの瑕疵が出た場合に売主へ瑕疵担保責任を追求することができなくなります。
理由は引き渡し日が4月中旬で瑕疵担保期間が3か月だからです。
ですのでガラが出た場合は自己責任ということになりますが、先日アスファルト撤去した際に早くもガラっぽいのが出てきているのでおそらく変なものが色々埋まっている可能性大です。
現時点での方針
法改正が施行されても容積率が緩和されるわけではありません。
従って現行法でプランを検討した場合でも容積率が200%に近づけるプランが作れるなら法改正施行まで待たなくても良いと思っています。
現時点でも容積率188%程度のプランとなっていたので一旦は現行法の建蔽率70%で最大限の建物を建てる方針で進めることにしました。
※後日書きますがプランの修正がうまくいってないので法改正施行まで待つことも視野に入れています。
まとめ
建築基準法の改正によって希望のプランが建てられるか検討した内容を記載しました。
個人的には今回の法改正で収益物件を土地から狙っている人は検討に値する土地が増えると見ています。
従って都内の土地価格の上昇圧力になるのでは?とも見ています。
ちなみに都内の土地の多くは準防火地域です。
逆に角地緩和と準防火地域での併用ができないとなると角地の優位性が失われるので角地の土地価格の下落圧力になると思います。
現時点で法改正施行が決まってない時点で検討を進めるのは色々とデメリットもあるので一旦は保留にしましたが希望の建物が建たないなら施行まで待つのもアリだと思ってます。
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