概要
今日は連休最終日なのでテレビを観ていましたらTBSで黒川紀章さん設計のビルが取り壊しか保存で揉めていると特集をしていました。ビルの名称は「中銀カプセルタワー」というビルになります。
テレビを観ていたら、思わず懐かしくなったのでブログに記載してみます。
黒川紀章とは
日本の建築家です。中銀カプセルタワーや国立新美術館など独創的な建物を多く残しています。
2007年の都知事選挙と参議院選挙に出馬していて結構話題になったのを覚えています。
正直勝ち目のない戦いだなと思っていましたがやっぱり落選してしまいその年に亡くなってしまいました。
もし今も生きていたなら新国立競技場のコンペにも出てきたのでは?と思ってしまいます。
中銀カプセルタワーとは
東京銀座にある1972年築のビルで1部屋が10㎡程度の3点ユニットの1Rです。各部屋を区分所有権として販売していました。
私の不動産投資は最初は区分所有からスタートしたので、ここの部屋が時々売りに出されていました。
当時の価格ははっきりと覚えていませんが1部屋500万円程度だった気がします。
500万円程度で銀座の黒川紀章さん設計の部屋のオーナーになれるというので記憶に残っていました。
取り壊しの経緯
現在のビルは給湯が全館で停止していて空調も全館共有のものは使えないそうです。先日、軍艦島に上陸した際のことをブログに書きましたがコンクリート自体は100年もつかもしれませんが、電気ガス水道などのインフラがその前にダメになるでしょうしRCの寿命はコンクリートがダメになるより前にインフラがダメになるほうが先でしょうね。
テレビから得た情報ですがビルの地権者などはそこにビルを建て替えたいそうです。
建て替えた場合の延床面積は60%程度上昇するので収益性が増すそうです。
黒川さんのカプセルは概観からもわかるとおりデザイン性を重視しているのでおそらく容積率などは使い切っていないと思われます。
また、インフラがダメになっているので所有していても貸すに貸せないみたいなオーナーも多いと思います。
一方残したい人は、事務所の住所に「中銀カプセルタワー」と記載できるためすぐに覚えてもらえるとか、眺望が良いとか言っていました。
実際歴史的建造物なので残したいって思う人は多いと思います。
2007年に一度建て替えが検討されたそうですが頓挫したそうです。
マンションの建て替え要件
区分所有法では所有者の5分の4以上の賛成がないとマンションの建て替えはできません。建物の解体や跡地売却は、民法の原則にのっとって区分所有者全員の同意が必要で現実的ではありません。
このおかげでスラム化しているマンションも中々建て替えが進まないのが現状です。
昨年「改正マンション建て替え円滑化法」というのが施行されました。
耐震性不足など老朽化が進んだマンションでは区分所有者の5分の4が同意すれば、建物の解体と跡地売却を認められるようになりました。
今回このビルが5分の4以上の賛成を得て建て替えとなれば今後老朽化したマンションの建て替えが進む前例となる気がします。
ビルを所有していた場合
このビルの権利は所有権ではなく旧法賃借権です。借地期間はあと10数年残っているようです。
所有権でしたら立地も抜群ですから、建て替えた後のビルの増えた延床面積分を売りに出すなどしてオーナー負担があまりかからない状態で新築ビルのオーナーになれるような気がします。
旧法賃借権の場合に建て替えた場合どうなるかちょっとわかりませんが区分オーナーからみたら建て替えることによって金銭的メリットがない限りは建て替えには同意しないでしょう。
逆に建て替えることによって明らかに儲かることがわかっているなら建て替え前提でオーナーになる人もいるでしょうね。
今後の動向に注目したいと思います。
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