概要
コロナショックを受けて不動産投資家もかなり打撃を受けている若しくは今後打撃を受けると思います。
私自身純資産額は2億くらいありますが、おそらく今後物件価格は下がるでしょうから純資産額も相当額減ることでしょう。
ただ私は投資家ではなく事業家なので、一時的な純資産額が減ったとしても長期的に生き残ることを目標とします。
今回は私が不動産賃貸業で生き残るためにどう心掛けているか記載したいと思います。
入居属性を重視
私の場合は既に入居属性は厳しく見ていますが今後は更に厳しくチェックするつもりです。
具体的には原則は正社員しか入居希望者を受け入れないつもりです。
例えば東京都内の単身物件でもバブル期の3点ユニットなら5万円以下で借りれる物件もあります。
ただしそのような物件ですと属性がどうしても悪くなり正社員ではなくアルバイト・非正規社員といった属性の割合も高くなります。
そういった属性の入居者ばかり受け入れていると今回のような危機が発生した場合に一番影響を受けます。
リーマンショックの時も非正規社員の失業が問題になって年越し派遣村なんていう存在も話題になりました。
正社員は日本の場合は法律によって簡単には解雇できないので入居者としてはフリーター・非正規社員とかに比べれば安定します。
というわけで基本的には正社員の属性の入居者を入れることができるような家賃設定にできる物件を所持したほうが良いと思います。
東京都内の単身物件ですと5万円台の物件とかだと属性は悪くなりがちですが7万円以上の物件ですと正社員が多くなります。
私の所有物件の入居者はほとんど正社員か学生(両親は正社員)になります。
保証会社加入
私の場合は原則として保証会社加入必須ですし今後も必ず保証会社には入ってもらいます。
(借主が法人など安定している場合は例外)
今は連帯保証人で契約するということは少なくなっていると思いますが今後保証会社加入必須の流れは更に加速するはずです。
私は賃借人が滞納して連帯保証人に請求したことがないのでよくわかりませんが、法的に連帯保証人に支払い義務があったところで連帯保証人に請求してすんなり払ってもらえる保障はないと思っています。
ただ保証会社も倒産することがあるので注意です。
リーマンショックの頃には保証会社大手のリプラス倒産によって混乱に陥りました。
保証会社がバタバタと倒産するようなことはさすがにないと思いますが、リスクヘッジをしたいなら保証会社を複数分けるなどの対応も必要かもしれませんね。
滞納・賃料減額に対する対応
現在はテナント系の賃借人から賃料減額の相談を受けているオーナーさんも多いでしょうが今後は住居系でも同じような動きは出てくると思います。
その際にどういった対応をするか事前に決めておいたほうがいいです。
私の場合ですが、基本的に入居者から賃料減額や延期などの相談を受けても応じるつもりはありません。
仮に入居者が失業等で賃料減額や延期などの相談を受けた場合は「住居確保給付金」や「失業保険」などの給付をしてもらいつつ保証会社へ代位弁済請求を行います。そのうえで入居者には再就職などの活動をしてもらい、生活の立て直しが困難だと判断した場合は「生活保護」の申請をしてもらうとか実家に戻って頂くとかもっと家賃の安い物件への転居を促すと思います。
入居者から賃料減額相談が来た際にどうすべきかはオーナーによってそれぞれかと思いますが楽待によるアンケートだと6割のオーナーが何らかの形で応じるっぽいです。
賃料減額に応じるオーナーが増えればそれに便乗して値下げ交渉してくる入居者とか出てくるでしょうね。
私はオーナーと入居者の関係って対等だと思っているのでオーナーが入居者を救済するのは間違っていると思います。
困窮した入居者の支援を行うのは行政でありオーナーではありません。
テナント賃料支払猶予法案?
※4/12追記
7都府県会議で、「テナント賃料支払い猶予法案(制度)」を大臣に提案した。休業した時に困るのは固定費。人件費は不十分だが雇用調整助成金があり(社員には生活福祉貸付制度)、税金も猶予制度がある。休業は家賃が重い。オーナー側にも固定資産税免除や銀行ローン支払猶予と併せれば制度構築できる。 https://t.co/4537ycFFyt
— 吉村洋文(大阪府知事) (@hiroyoshimura) April 11, 2020
大阪の吉村知事がテナント賃料支払猶予法案を提案したみたいです。
こんなのが認められると契約の原則が完全に崩れてしまうので信じられない世の中になってきました。
これが住居系まで波及してくると恐ろしい限りです。。。
上記でも書きましたがオーナーと入居者の関係って対等なはずで、なぜオーナー側が支払猶予をしなければいけないのか理解できません。
困窮した入居者を支援をするのはオーナーではなくて政府なはずですが、政府は自分たちで補償はせずにオーナー側も支援しろってスタンスなんですね。
支払を猶予したところで困窮した入居者から回収するのは相当困難だと思うのですが未収金となった場合に政府は保障してくれないですよね?
気になるのがこういった法案が仮に通った場合、保証会社も保証対象外と言ってくる可能性があります。
こうなってくるともうなんでもアリですね。。。
飲食店に食事しにいって、食べ終わってから「ごめん。金ないから支払い待ってくれ」と言って認められるわけがなく無銭飲食で逮捕されるのに、なぜ賃料だけ借主側を極端に保護するのでしょうか?
入金管理・督促
保証会社に入っていれば基本的には賃料回収は苦でないのですが、保証会社に入っていない場合は入金管理と督促はしっかりと行う必要があります。
私の場合は上記で書いたように保証会社加入必須なのですがトランクルームなどは保証会社に入ってもらっていないですし、競売等で所有した物件は前のオーナーが連帯保証人で契約してそれを引き継いでいる物件もあります。
参考までに私が12年不動産賃貸業を行って得た賃料は下記の通りですが、滞納による未収金は1円もありません。
- トランクルーム:約1922万円
- 区分マンション:約3503万円
- 1棟目アパート:約7858万円
- 2棟目アパート:約3090万円
- 3棟目アパート:約169万円
合計:約16542万円
(上記には礼金・更新料は含まれていません)
8000円程度の賃料でも数日滞納があれば電話連絡をして、連絡が取れなければ相手の自宅に乗り込んででも回収します。
コロナショックで住居系においても滞納などが発生する確率は高くなるでしょうから、とにかく滞納が発覚したらすぐに毅然とした対応を取るべきです。
滞納者は光熱費や携帯代など様々な支払いがあるでしょうが、滞納を放置していると支払いの優先度を下げられるので、しつこく督促して優先的に払ってもらうよう促さないといけないです。
入居募集で差別化
このような社会情勢においては空室が発生した場合の入居者募集に苦戦することが想定され、多少滞納や賃料減額が発生しても入居し続けてもらったほうがいいという考えもあると思います。
私のスタンスは滞納などが発生した場合は速やかに保証会社へ請求しつつ、立て直せない入居者には退去してもらいます。
そうなった場合に次の入居者募集をしないといけないのですが、ほとんどのオーナーは管理会社に募集のお願いをして申し込みがあるのを待っているだけだと思います。
それでもそのうち決まるとは思いますが、コロナの影響と繁忙期外ですのでどうしても賃貸の動きは鈍いのが現状です。
私の例ですが、4月下旬退去予定の部屋が発生したのですが、このような状況においても募集して数日で申し込みが入り無事に契約に至りました。
募集条件も新築時と同じ賃料で成約して礼金も取っているので入退去に伴う費用はほぼ発生しないと思います。
入居者は中部地方に住んでいる方で大学入学のため上京してくる方なのですが、このような自粛要請が出ているので内見も契約も含めて東京には一切来ずに私の部屋を契約する形になりました。
少なくとも今年に関しては地方から都内の物件を探す際に部屋を見ないで決める方はかなり居ると思います。
このような入居希望者の立場からすると仲介業者が作成したマイソクや数枚の写真だけで部屋を決めるのってハードルが高いのではないでしょうか?
私の場合は物件紹介のプレゼン資料と室内内部の写真を100枚くらい仲介業者に送っており、遠隔地にいる入居者希望者が決断しやすい状況を作っています。
仲介業者からは「物件資料を見て入居者のことをすごく考えてくれるオーナーだと思ったので決めたそうです」などと言ってくれることが結構ありかなり効果は高いと思っています。
他にも色々とやり方はあると思いますが、募集一つにしても工夫をして差別化をはかっているオーナーとそうでないオーナーで空室率は変わってくるはずです。
返済比率は余裕を持つ
ラクマチとかで変な物件を購入しちゃった方が女性投資家にボロクソに説教されてる動画とか観てると彼らの今後は厳しいだろうなって感じます。
ここ数年の不動産投資ブームで本来取得してはいけない人達が物件を買ってしまったのでそういった人達はある程度淘汰されるかもしれません。
昔から物件を取得する際は最低でも返済比率50%とか言いますけど、未経験者がいきなり返済比率50%以下の物件を買うのって厳しいと思います。
じゃあ「そう言った人達はどういう物件を買えばいいの?」って話になるのですが「自己資金もない初心者が物件を買ってはいけない」というのが回答になります。
自己資金を貯めて少額物件からチャレンジするなど身の丈に合った状態から始めないと厳しいと思います。
私の場合ですが自己資金3000万円くらいで参入しましたがそれでも200万円台の区分を現金で買うとこからスタートしたくらいです。
今後も物件を購入する際は慎重にシミュレーションをして少しでも厳しそうな物件は買ってはいけません。
私が言うのも何ですが普通のサラリーマンが億単位の不動産投資をいきなり始めること自体に無理があるのです。
自己資金は厚めに
自己資金若しくは流動性の高い資産を厚めに持っておき、イザという時に現金化できるようにしておくのは基本です。
法人でしたら経営セーフティ共済に入っておけばイザという時は引き出せます。
小規模企業共済に入っておけばイザという時は迅速に事業資金を借入れできます。
こういう対策をしないで風向きが悪くなったらすぐに慌ててコロナ融資を申し込んだりするのは経営者としてどうなんだろ?って感じます。
銀座の夜のお店とかでもお客さんが来なくて店を閉めるしかないといった感じのニュースをやっていました。夜の店なんて普段は儲かっているでしょうしどうして日頃から経営が傾いた時に備えておかないのか不思議で仕方がありません。
イザという時は自ら行う
私は自主管理オーナーで賃貸運営に係ることは極力全て自分で行うスタンスです。
管理などは全て業者にお任せといったオーナーが多いと思いますし、忙しい会社員の方はそれが賢明かと思いますが、イザという時は自分で行えるようにしておくに越したことはないです。
既に管理委託している物件について外出自粛要請によって物件巡回や清掃などを業者が行ってくれなくなったといった話も聞こえてきます。
そのような緊急時に自分で対応できるスキルは持っておいて損はないです。
要するに自分で物件に関することは一通り行うことはできるが、多忙のため普段は外注するというのは正しいのですが、物件に関することは全て業者に丸投げで業者が対応してくれなければ自分では何もできないという状態はマズいと思います。
まとめ
というわけで私が不動産賃貸業で生き残るためにどう心掛けているか記載しました。
特段突拍子もないことはしていないですが、不動産投資は事業ですので物件買って丸投げで儲かるわけがないので事業者としてやれることは何でもやるってスタンスでないと今後は厳しいのではないかというのが言いたいわけです。
今後は更に入居者の属性は重視しつつ、保証会社加入などのリスクヘッジを取り、空室・滞納対応などはしっかりと行い、安定した経営を心掛けていくつもりです。
しばらくは厳しい状況が続くと思いますが、ここを生き残ることができればまた風向きも変わってくるかもしれないので頑張って乗り切っていきましょう!
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