気が付いたら競売市場修正率が変わっていました

競売・区分投資

概要

少し時間と自己資金に余裕があり競売に入札してみようとBITを検索していたら競売市場修正率が変わっていたことに気が付きました。

競売の基準価格が決まる経緯

競売に流れる物件は基本的に一発勝負のオークションです。
ですが仮に1円で落札されてしまったら所有者としてはたまったものではありません。
したがってヤフオク的にいうところの最低落札価格が定められています。
競売では「買受可能価額」というのですが、こちらは落札可能な最低価格のことです。
auction_hammer.png

こちらの価格を決める基準をざっくり言うとまずは不動産鑑定士が「積算価格」と「収益価格」を算出して総合的にどちらを採用するか決めます。
例えば単身向け区分の場合、落札した人は自分で住むというよりは賃貸に出すケースがほとんどですので収益価格を重視しましょうとか、ファミリー向け区分の場合は自分で住むケースが多いので積算価格を重視しましょうとかいった感じになります。

そして決まった価格に対して「競売市場修正率」というものを掛けて「売却基準価額」というものを決めます。
「売却基準価格」を更に20%下げた価格が最終的な「買受可能価額」となります。

競売市場修正率とは?

前提として競売で購入する場合は様々なリスクがあります。
例えば「入札前に室内を内見できない」「落札後の瑕疵は自分で対応する」「落札後に元の所有者が退去を拒まれる可能性がある」などです。
そういったリスクを考慮して通常の価格より多少割引を行って基準となる価格を設定するものになります。

今まで東京23区では競売市場修正率は70%だったのが2年ぶりにBITを開いてみたら80%に変わっていました。

具体例

単身者向けの区分マンションが競売に出た場合の価格決定の流れは下記のような感じになります。


・不動産鑑定士が査定した積算価格は500万円
・不動産鑑定士が査定した収益価格は1200万円
⇒本物件は収益価格を重視して1000万円にしましょう。


・競売で購入する場合はリスクがある
「競売市場修正率」の80%を掛けて800万円にしましょう。


・管理費の滞納が100万円あります。
⇒管理費滞納分100万円を控除して700万円にしましょう。


・上記より「売却基準価額」は700万円とします。
⇒「買受可能価額」は更に20%下げて560万円にしましょう。

以上のような経緯を経て「買受可能価額」は560万円となります。
※実際はこれ以外の要素にて細かい増減はあります。

競売市場修正率変更に伴う影響

結論から言うとこれがほとんど意味がないと思っています。

上記例ですと様々な手順を踏んで決めた売却基準価額は700万円です。
建前では不動産鑑定士が「700万円くらいが妥当な金額じゃないですか?」と入札検討者に示している金額になります。
ですが競売の実態としては一発勝負のオークションのため入札者は購入しても良い最大金額を入れます。
その結果、落札価格は売却基準価額の2倍、3倍は当たり前のような状況になっています。
※最近は知りませんが7~8年前はそうでした。

結局のところ入札者の9割方が不動産を生業としたプロの業者です。
彼らは周辺の相場やリフォームしてエンドに転売した場合いくら抜けるか?などの観点でギリギリの価格を入れてくるので不動産鑑定士の評価した価格などほとんど気にしていないのが実態です。
私自身も自分の物差しで入札するので売却基準価額を気にすることはあまりありません。

競売市場修正率を変更したはっきりとした理由は知りませんがおそらく競売で購入する場合のリスクが以前より下がったためではと思います。

私が競売に参入した9年前の時点で既にBITはありましたし三点セットはWEBから入手できました。
法整備も進められて最終的には明け渡し訴訟をすれば占有者を出すこともできます。
その後もBITのサイトもどんどん使いやすくなっており、過去の落札データなども見ることができます。
そういった環境が整っているので競売で購入するデメリットが少なくなっているので競売市場修正率が上がったと思います。

私が参入する更に前はBITもありませんでしたので三点セットは裁判所へ行って閲覧してコピーしてこなければいけませんでした。
さらにその筋の人が物件に占有して不当な立ち退き料を請求することも多く素人が参加する環境でなかったと聞きます。

あとは上記でも書きましたが売却基準価額と実際の落札価格にあまりにも乖離があったのでそれを抑えようとして少しでも実態に近い売却基準価額を示そうとしているのかもしれません。

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