概要
今回は長期滞納となった部屋の明け渡しと、ゴミ屋敷となっていた部屋の原状回復の一部始終について記載します。
滞納部屋の明渡
6年以上滞納を続けている滞納者が居た話は度々このブログでも書いていましたので長期滞納となった概要は下記ブログを見ていただけたら幸いです。
2022年12月:滞納者から「払えないので今月末(12月末)で退去する」と保証会社に連絡
↑年末過ぎても退去せず
2023年1月:弁護士経由で明渡訴訟の手続き開始
2023年1月下旬:滞納者が引っ越し業者を呼んで退去
2023年2月:警察立ち合いで室内に入居(下記ブログ内容)
2023年2月:明渡訴訟終了
2023年4月中旬:裁判所の執行官立ち合いで室内に入居(財産なしと判断され荷物撤去OK)
2023年4月下旬:荷物撤去業者にてゴミ撤去完了(この時点でようやく建物明け渡しされる)
上記のように室内は酷い状況ですが滞納者が室内で自殺などされたり他の入居者に迷惑などかけたら大損害ですので自主的に退去してくれただけで満足です。
天井まで謎の染みが付着しているのは天井までゴミが積みあがっていたからかもしれません。逆に浴室は比較的綺麗でした。おそらく脱衣所&浴室にゴミが積みあがっていたので浴室を使うことができなかったのだと思います。
あとは部屋中の壁紙や建具に虫の死骸が付着するという酷い有様でした。
あと室内全体にタバコの灰が散乱していました。
このような感じでポストの中にはカード会社、弁護士事務所、役所、裁判所からの連絡が山のように届いていたのでまともな人間ではありません。
原状回復内容
鍵交換
ここからは私の仕事で原状回復となるのですが、まず最初にやることは室内の鍵(私の物件は電子錠なので暗証番号)を変えて入居者が室内に戻ってこれなくすることです。
フローリング清掃
次に行ったことは床が汚くて土足でしか歩き回れないので靴を脱いで歩けるようフローリングをザっと清掃しました。
フローリングとか腐っている可能性も懸念していましたが清掃してみると意外とそのまま貸せそうな感じでした。ただよく見ると所々に傷とか落ちない汚れが点在しています。
室内全体清掃
そのあとはフローリング以外の設備をザっと清掃して、清掃で対応できるか設備交換が必要か見極めました。
意外と清掃で対応できるものが多くて設備交換は不要な感じでした。
蛇口の根元からかなり漏水していて最近は蛇口自体を交換することが多いのですが、今回は蛇口を分解できたのでパッキン交換したところ漏水は完全に止まりました。
エアコンもフィルターすら全く清掃していないので当然中は真っ黒です。
エアコン清掃をしたら綺麗になりました。
壁紙貼り換え
続いては原状回復メインの壁紙貼り換えです。
今回は天井まで染みが付着していたりヤニ部屋でもあるので室内の全ての壁紙を貼り換えます。
私の物件は狭小で手が届きづらい箇所が多々あるので壁紙を剥がしたり貼るのも非常に大変です。
壁紙を剥がすのも面倒ですが、壁に付いている全ての設備などをネジから取り外すのが面倒なんですよね。。。
壁紙を全て剥がした状態で○ルサンを焚いておきました。
今回は天井も貼り換えましたが足場等もってないので小さな脚立で作業したので結構大変でした。
でもまあまあ綺麗に貼れたと思っています。
貼った壁紙は約70mで、壁紙を剥がすのに1日、貼るのに3日くらいかかりました。
CF貼り換え
CFも落ちない汚れがあって清潔感に欠けるので貼り換えます。
施工方法はいつも同じなのですが既存のCFを丁寧に剥がしてそれを型紙として新しいCFに重ねて切っていきます。
既存CFの貼り換えはこれが一番楽で綺麗に収まると思ってます。
今回貼ったCFは初めて買ったのですが中々高級感があって今後もリピートするかもしれません。
フロアタイル貼り
フローリングは現状のままワックスがけして見栄えを少し良くすればそのまま貸すこともできると思いますが、明らかに入居者過失の傷や汚れが多少あり、今回は原状回復費用として賃料の1か月分は保証会社から出るため、フロアタイルを貼る対応で費用を抑えつつ保証会社に請求することにしました。
今回の部屋は全体的に白ベースの部屋なのでフロアタイルも2年前に貼った白ベースのものを貼ることにしました。
ここで少し誤算だったのが2年前に買ったときは1ケース5010円だったのが今回は6960円(税別)と4割近くも値上げしていたことです。
フロアタイルは高額なのでここまで値上げされると痛いですね。
今回は知り合いの投資家さんから教えていただいた剥がしやすいボンドで貼ってみることにしました。
フロアタイル施工のメリットは非常に簡単にフローリングを貼るのと同じような効果が得られることと、一部分を傷つけられても部分的に貼りなおせることです。
ただ通常のボンドで貼った場合はフロアタイルを剥がすのも相当苦労するでしょうし場合によっては下地を傷めることにもなりますので比較的簡単に剥がせて貼りなおせるメンテが楽なボンドを試してみました。
デメリットとしてボンドが結構高いことと、剥がしやすいということは入居中に剥がれやすいリスクもあると思います。このあたりは実際に貼ってみて問題ないか試してみます。
塗りやすさやオープンタイムや貼りやすさは通常のボンドと大差なかったです。
建具ハンドル塗装
建具のハンドルは元々ゴールドだったのですが引っ搔き傷や手垢で汚らしくなっています。
剥げている箇所も多々あるのでこうなると清掃などでは対応不可なので塗装で対応します。
私の場合は紙やすりで既存の塗装を剥がしてからシルバーメタリックの塗装スプレーで対応しています。
簡単なように見えて意外と難しいのが、少しでも吹き付け過ぎるとすぐにスプレーが垂れてきてしまい、それが跡になってしまうので少し吹き付けたら乾かすを繰り返すのがコツです。
原状回復ビフォーアフター
キッチン
浴室・トイレ・脱衣所
居室
バルコニー
なんということでしょう。ゴミ屋敷だった部屋がまるで新築のように生まれ変わったではありませんか。
作業時間・費用
作業内容 | 作業時間 | 費用(税込) |
壁紙剥がし | 7時間 | 0円 |
壁紙貼り | 30時間 | 4600円(100mセール品) |
CF貼り換え | 3時間 | 1072円(182cm×80cm) |
フロアタイル貼り | 10時間 | 22968円(フロアタイル) |
5150円(ボンド) | ||
室内清掃・その他作業 | 14時間 | 1100円(バスコーク) |
450円(ジョイントコーク) | ||
550円(電球) | ||
253円(シャワーパッキン) | ||
1100円(エアコンリモコン) | ||
4800円(駐車場代) | ||
合計 | 64時間 | 42043円 |
作業時間は壁紙貼り換えが断トツでかかり、材料購入費はフロアタイルを施工するとかなり上がってしまいますね。
※2023年6月5日追記
上記作業のうち借主の故意過失による破損汚損に関して要した原材料費と施工費用を保証会社に請求した結果72000円の支払いを受けたため修繕費として自分が負担した金額は全くなくなりました。
感想
今回の部屋は汚さでは断トツで過去最悪でしたが原状回復の難易度としてはそこまで高くなかったです。原状回復でとにかく大変なのがキッチンの油汚れの掃除とか設備を交換したりする作業ですが今回はそういったものはありませんでした。
退去後の状態としては最悪に近いですがDIYで対応すればこの程度の費用と時間で原状回復できるので退去後の修繕費に悩むことは全くなくなります。
退去後の原状回復はほとんど自分で対応できるようになったので多少汚されてもショックを受けなくなりましたw
材料費も職人の工賃もビックリするくらい値上げ傾向にあるので今後DIYで費用を抑えることができる人は賃貸運営について差別化できると思います。
コメント
この状態を外注無しで一人でされたのですね(-_-;)
大変お疲れ様でした。
一番ビックリがセール品のクロス100m4600円です。こんなに安いセール品見たことがありません!
ありがとうございます。
いまだに身体がボロボロの状態ですw
いい運動だと思ってやってます