初期費用を抑えることが必ずしも良いとは限らない

概要

私は入居者の懐事情を考慮して初期費用を抑える募集をしていましたが、初期費用を抑えることが必ずしも良い結果を生むとは限らないと今では思っています。

項目ごとの募集効果について

引越を検討する際に初期費用を抑えたいと誰もが感じています。
昔は街の不動産屋へ足を運んで業者がピックアップした物件を検討していましたが、今はネットで気になる物件を問い合わせるスタイルが主流です。

従って初期費用が高額である時点でどんなに間取りや設備に拘っても目に留まらない可能性が高いです。
入居者の目に留まってもらえるように初期費用を抑える条件にすることで空室が発生しても早期契約する確率を上げることができます。

一方で初期費用を抑える条件にしても効果が低い項目もあります。

効果が高い項目


礼金

⇒検索条件で礼金無料で検索する人はそれなりに居るので礼金1よりか礼金0のほうが早期で決まる可能性は高いです。

敷金

⇒検索条件で敷金無料で検索する人はそれなりに居るので敷金1よりか敷金0のほうが早期で決まる可能性は高いです。
ただ、礼金と敷金の違いはどの入居者も知っているので礼金よりは効果が薄いです。
私の場合は敷金無料にする代わりにクリーニング費用を返金なしの前金で受領しています。
そうすることで募集の際には敷金0として募集可能です。

効果が低い項目


保証会社手数料

⇒連帯保証人にすることで保証会社手数料は払わなくて良くなるので入居者にとっては嬉しいですが物件を検討する際に保証会社必須か否かを判断材料にしている人はあまりいません。
従って保証会社を不要にしても特に影響はないと思います。
最近は保証会社必須の物件が主流ですので保証会社必須にしてもたいしたデメリットになりません。
自主管理オーナーにとっては保証会社は必須にすべきだと思います。

鍵交換費用

⇒鍵交換費用についてはどの賃貸物件でも入居者負担となっているので鍵交換費用をオーナーで負担したところで意味はないと思います。

引越し費用

⇒オーナーが引っ越し費用を負担する賃貸物件も中にはありますが入居者自身もそこまで求めていないでしょうからやったところで効果はほとんどないはずです。

火災保険加入料

⇒必ずしも火災保険に加入してもらう義務はありませんが現実問題として入居者過失によって火災が発生した際に弁済できる入居者は皆無です。
従って加入は必須でしょうし入居者個人が契約する内容ですのでオーナーが肩代わりする項目でもありません。
この項目についてどの賃貸物件でも入居者負担となっているのでオーナーで負担したところで意味はないと思います。

仲介手数料

⇒オーナーが仲介業者にAD(広告料)という名目で費用を払って、入居者は仲介業者に仲介手数料を払って、結果的に業者は両手取りのようなことがまかり通っておりこれを覆すことは業者の反発も買いますので現実的ではありません。
オーナーが仲介業者に広告料+仲介手数料まで負担するというのも難しいので入居者が負担する形になります。
この項目についてどの賃貸物件でも入居者負担となっているのでオーナーで負担したところで意味はないと思います。

初期費用を抑えるべきでない理由

私が感じている効果が高い項目は礼金と敷金だけです。
逆にそれ以外の項目を削減してもオーナーにとってリスクが増えるだけでたいした効果はないと思います。
特に意味がないのがフリーレントだと思っています。
フリーレントについては付いていればラッキー程度の効果でしかなくフリーレント目的で探している人はほとんど居ません。
フリーレントを付けるくらいなら仲介業者にADを払ったほうがはるかに効果が高いです。

初期費用を抑えることで早期契約となる可能性があるメリットがある一方でデメリットも存在します。

不良入居者が集まってくる

⇒世の中には様々な人が居ていわゆるイワクツキの入居者はとにかく初期費用を抑えたがる傾向があります。
とにかく賃料が安くて初期費用も安い物件を好んで、何か問題があれば逃げてしまうような連中です。
そういった入居者は住み始めても滞納や周囲とのトラブルを撒き散らします。
ある程度初期費用をかけることでそういった不良入居者を排除することが重要です。

早期解約されてしまう

⇒初期費用が安い物件を好む人は引っ越し好きな人が多いです。
引越しに対するハードルが低いので少しでも住み心地が悪くなったり気分転換で退去してしまいます。
逆に初期費用を沢山払った入居者ならある程度の長い年月すみ続けようと思う可能性が高いです。

従って初期費用を抑えることで空室期間は減りますが、オーナー側の負担が重くなり、不良入居者を迎え入れることで管理する手間も増えますしほかの入居者の退去も早まる可能性があります。
不良入居者でなくても早期解約される可能性も高まるので過度な初期費用を抑制することは止めたほうがいいと思います。
特に自主管理している方なら尚更です。

どうすればよいのか?

私が思う募集の際の条件は以下のような感じです。

敷金・礼金など効果が高い項目は削減を検討

上記以外の項目は削減すべきでない

⇒上記で述べた通り、削減効果がない項目は下げるべきではありません。
逆に下げることでデメリットが増えます。

結果的に初期費用はそれなりにかかる

⇒一見「初期費用が安いのかな?」と入居者に思わせて反響を得られるが、実際はそれなりにかかる物件が良いのかなと思っています。
物件が目に留まって内見までこぎつけられれば、物件を気に入ってくれれば多少高くても入ります。
逆にとにかく初期費用を抑えたいだけの入居者は契約前に去ってもらえば良いと思います。

敷金・礼金も削減しない代わりに業者へのADを厚くする

⇒私が建てた1棟目は新築時から敷金・礼金0で募集していました。
その代わり業者へのADを0にしたのですがこれが失敗でした。
新築といえどもAD0にしてしまったらほとんどの業者に扱ってもらえません。
ADをしっかり払って礼金を1にしたほうが決まる可能性は高いです。

賃料は過度に高くしない

⇒賃料を高くすると物件売却する際の利回りがよくなるので売りやすいです。
一方、長期入居が望めなくなりますので安定した収支が得られません。
数年後に売却をにらんでいるのなら初期費用を抑えて賃料を高くする戦略も有効ですがインカムゲインを主体とするなら賃料は過度に高くしないほうがいいです。

※余談ですが入居者に過大なインセンティブを付けて相場より高い賃料で満室にして高額で売りつけられるオーナーもこの手法で引っかかっています。

こういった物件を購入してしまうと買ってしばらくしたら退去が続出することになってしまい、こんなはずじゃなかったということになります。
かぼちゃのオーナーも同様ですが購入する際は成約された賃料が相場と乖離がないか調査をするのは当然なことです。


よろしければ最後に応援クリックのご協力をお願いします
日記
スポンサーリンク
シェアする
ヨッシーをフォローする
不動産賃貸業と主夫で経済的自由を獲得

コメント

タイトルとURLをコピーしました