金消契約更新手続き
私が融資を受けている金融機関との固定金利が2月末と3月末で終了するので次回金利の提案&更新手続きを行いました。
提案された金利はどちらも同じでした。
いままでは変動金利より固定金利のほうが金利が低いという逆転現象が続いていたのですが、もうそういった話はないらしく、変動金利を強く勧められたので今回は変動金利で更新しました。
現在金融機関の調達金利も相当上がっていますしアメリカの利下げという噂レベルの話も現状国内では不透明なので金利を下げる要因にはならないとのことでした。
変動金利とはいっても毎月金利が上がったり下がったりすることではなく、上がるとしても半年単位になります。ちなみにこの金融機関では過去に変動金利で契約中に金利を上げたことはないらしく今後の運営に影響を与えることはないと思っています。
変動金利で提案してしまうと借り換えられるリスクがある(違約金が取れない)ので金融機関側としても変動金利で契約するのはリスクがあるとのことでした。
私は過去に一度借り換えたことがあり数百万円の違約金を払ったことがあります。
固定金利期間中に売却してしまうと違約金が発生してしまうので、違約金を払いたくないなら変動金利のほうがいいかもしれません。
金融機関との固定金利期間が終了するので次回金利が提示された
変動:+0.13%
固定
2年:+0.33%
3年:+0.42%
5年:+0.64%
10年: +1.00%金融機関の調達金利がかなり上がっており、これぐらいの上昇は想定内かな🤔
金利上昇は避けられないのでカツカツで運営しているオーナーは覚悟したほうがいい🥺
— ヨッシー🙌自主管理😂DIY大家🙃 (@yossyblog) February 8, 2024
コベナンツ融資の評価方法
別件ですがこの金融機関が積極的に取り組んでいるコベナンツ融資について担当者に聞いてみました。
コベナンツ融資は文字通りコベナンツ(制限・特約)を付けて融資してもらう形態です。
評価方法としては下記3点をすべて満たすことが必要となります。
担保評価
通常のアパートローンと同様コベナンツ融資でも担保評価はあります。
この金融機関の場合の担保評価は通常積算で評価されますが、コベナンツ融資の場合は東京カンテイなどの鑑定会社による実勢価格ベースの鑑定評価額を担保評価として見てもらえます。
新築RCなどの場合は建築費上昇に伴って建築価格と積算価格との乖離が激しくどうしても融資額が伸びないのですが、実勢価格で評価してもらえるため担保評価を大きく上げることができます。
収支評価
通常のアパートローンと同様コベナンツ融資でも収支評価はあります。
この金融機関の場合は満室想定の賃料から空室率3割&金利2.8~2.9%(毎月変動する)でストレスをかけてそれでも収支が回るかどうかチェックされます。
コベナンツ融資を使う場合でもある程度の利回りが出る物件でないと厳しいです。
資産負債倍率
これはコベナンツ融資独自の指標です。
コベナンツ融資を受けて手に入れる物件も含めて、バランスシート上の資産 / 負債 = 1.1倍以上が望ましいとされ、少なくとも1.0倍以上(債務超過でない)であることが必須条件となります。
注意点としてはこの時の固定資産は通常の評価(積算)で計算されます。
具体例を出すと積算で1億しか評価されない物件をコベナンツ融資を使って2億の融資を受ける場合だと、負債は2億増えるのに対して固定資産は1億しか増えないので、既存の純資産が1億以上ないと資産負債倍率が1.0倍を割ってしまうので融資を受けられないということになります。
つまりコベナンツ融資を使って融資額を膨らませて買い続けるといったことはできません。
資産 | 負債 |
流動資産(現金など) | 負債(既存のもの) |
固定資産(既存物件) | |
固定資産(コベナンツ物件)1億 | 負債(コベナンツ物件)2億 |
コベナンツ融資のメリット
上記担保評価でも書きましたが積算価格ではなく鑑定評価額で評価してもらえるので担保評価額を大きく上げることができます
融資期間も通常は耐用年数程度になりますが、耐用年数を大きく超える融資期間を取ることも可能なようです。
金利も通常の融資に比べて優遇してもらえる場合もあるようです。
新築RCを建てる場合ですと建築価格の半額程度しか積算評価が出ないので融資額は全く伸びないので潤沢に自己資金を出せない方にとっては良いと思いますし、中古物件で融資期間が伸びない場合に耐用年数超えの融資を希望する方にもメリットはあると思います。
コベナンツ融資のデメリット
コベナンツ融資を受ける際に、例えば売却時に金融機関の了承が必要など様々な制限・特約を設けられる場合があり、運営上デメリットになりうる場合があります。
費用面だと通常のアパートローン以外に発生する費用があります。
鑑定評価費用
毎年鑑定会社による簡易評価を受ける必要があり、初年度と3年に一度は正式な鑑定評価を受ける費用が発生します。
簡易評価は10万円程度?で正式な鑑定費用は数十万円らしいです。
例えば30年借りた場合ですとザックリ500万円くらいは鑑定評価費用が発生します。
正式な鑑定費用 | 300万円(30万円×10回) |
簡易評価費用 | 200万円(10万円×20回) |
合計 | 500万円 |
コベナンツ手数料
融資価格の3~5%の手数料が最初に発生します。
担当者曰く「5%が基準で、4%は固いラインで、私が取り組む場合は3%台が多く、3%は相当の優良物件でないと無理」とのことでした。
従って2億の融資を受ける際にコベナンツ手数料を4%として最初に800万円の手数料が発生します。
高額な手数料を取る理由ですが、金融機関が利益の先食いをしたいからです。
本来金融機関は30年や35年といった長期間にわたって関係を築きながら金利で稼いでいく前提で融資を行います。
ですが特に新築RCの場合ですとほどんどの方が新築物件を手に入れて速攻で売却する若しくは売却を視野に入れていて不動産賃貸業ではなく宅建業の範疇で儲けようとしています。
宅建業法違反にならない範囲でやっているならそれについて私はどうこう言うつもりはないのですが、それによって金融機関としては長期間に渡って得られるはずの金利を得られなくなるのでメチャメチャ被害を被ってしまいます。
そういった事情もあって金融機関側としてはある程度最初から利益を確保しようとしたいわけです。
宅建業者向けにプロジェクト融資というのがありますが、不動産賃貸業に適用することはできないのでプロジェクト融資手数料と似たような目的だと思います。
コベナンツ融資に向いてる方
金融機関側のロジックとしては最初に手数料が発生したりするけれど、通常より好条件で融資するので長期間運営すれば結果的に通常の融資よりオトクですよ。って説明になるので基本的には長期保有する方には向いていると思います。
あと中古RCなど長期間融資を受けるのが難しい物件などにも向いていると思います。
そもそもコベナンツ融資を使わないと融資を受けられないケースもあると思います。
新築RCはもともと長期間融資を受けられるのであまり向かないと思いますし、早期転売を目論んでいる方にはもっと向かないと思いますがプロジェクト融資的な意味合いで短期間の付き合いと割り切って借りるならアリかもしれません。金融機関側としても数年間の付き合いで最初にガッツリコベナンツ手数料を手にできるわけですからwin-winなんでしょうかね?
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