概要
先月末の話になりますが建築中の「3棟目アパート」の検査済証が下りない旨の連絡が来てしまい困り果てた内容について記載します。
連絡の内容
2月27日の夜遅い時間に建築業者の担当者から連絡がありました。
ヨッシー様、実は検査済証の発行をストップされています・・・
今更な話なんですが練馬区役所が土地北側の区有通路についてセットバックに応じないと検査済証の発行しないと言ってきてるんです。
え??なんで今更そんなこと言ってくるんですか??
それが私にもわからないんです。
既に建築確認は通っていると主張しても役所の担当者が頑として譲らなくてKBIも頭を抱えている状態なんです。
このままでは埒が明かないので私が明日区役所へ行って確認してきます。
多分私も行ったほうが話がスムーズに通ると思いますので私も一緒に役所へ行きますよ。
あと明日保存登記や御社へ残金の振り込みをする予定なのですがこれってどうすればいいですか?
こちらについては予定通り行って頂けたらと思います。
保存登記を済ませてしまえば役所にも更に強く主張できますので。
というわけで検査済証が下りない可能性が出てくるというとんでもない問題が降りかかってきました。
区有通路のセットバック問題
私が購入した土地の北側に道路があるのですが、幅員4mに若干足りず建築基準法上の道路とは認められておらず「区有通路」という扱いになります。
練馬区は何十年も前からこの「区有通路」を建築基準法上の道路にしたい思いがあり、土地所有者に対して無償でセットバックするようお願いをしている状況です。
私が土地を購入した前の所有者は無償でセットバックすることで何のメリットもないためセットバックに同意しないという書面を2年ほど前に練馬区に送っています。
このような経緯で土地を売りに出されたので土地のマイソクには「セットバックの必要あり」といった文言は特になく私は購入しましたが、土地契約直前にこのような状況であることを土地仲介業者から聞かされました。
その時の経緯は1年ほど前に下記に記載しています。
土地を購入した時点での私の意思は下記の通りとなります。
- 私もセットバックには同意しない
- 将来的にセットバックに応じたとしても既存不適格にならないような建物とする
上記意思は建築業者にも伝えており、KBIとも協議を重ねて建築確認申請を通しています。
検査済証が下りないとどうなる?
建物の使用ができないことになります。
使用ができないということは賃貸に出すこともできませんから1円も収益は発生しません。
契約済みの賃貸借契約は当然キャンセルとなるばかりか借主側から損害賠償請求されてもおかしくありません。
使用できないからといっても固定資産税などの支払いは容赦なく襲ってくるという最悪の事態となります。
保存登記・残金支払ストップ
28日は金融機関による決済(保存登記・抵当権設定登記・建築業者へ残金支払い)があったのですが当日朝一で金融機関へ連絡して事情を正直に話しました。
かくかくしかじかで検査済証が下りない可能性が発生したので本日の決済は全て一旦ストップしてください。本日区役所へ行って話し合ってきます。
承知しました。
本日13時までに再度ご連絡頂ければ本日中に処理します。
承知しました。
建築業者には非はないのかもしれませんが、使用不可の建物に対して残金を支払ってしまうと最後のカードが切れなくなるので自分の身を守るためにもやむなくストップしました。
建築業者にとっては2月中に残金支払いがないと下請け業者への支払いなどにも影響があるとの事ですので13時までにクリアにする必要が出てきました。
区役所でバトル
区役所で建築業者の担当者2名と待ち合わせして検査済証の発行をストップしている窓口へ行って話し合いをしてきました。
こちらとしては区有通路のセットバックに同意して頂かないと道路の中心線を起点とした斜線制限は認められないという事でして・・・
だから今更なんで区有通路の問題を蒸し返してくるんだよ!
こっちは何カ月もかけてそちらの担当者やKBIとこの問題を散々話し合って建築確認通してるんだよ!
Aさん、これ以上大声出し過ぎると警察呼ばれちゃいますので・・・
こんな感じで建築業者から役所の担当者に猛抗議しても中々話が進まず、建築業者も私も区役所担当者がストップしてくる理由はよくわかりませんでした。
こういった話は本来建築確認申請前にすべき内容ですが、検査済証交付直前になって「セットバックに同意しないと検査済証を発行しない」という脅しのようなことをしてきたのです。
役所としてはこの機会を逃すとまた当分の間、区有通路を建築基準法上の道路にする機会がなくなるので、無理矢理な理屈でセットバックに同意させようとしているとしか思えませんでした。
それでは今回同意しなくて結構ですが、協定通路にすることだけでも同意頂けませんか?
え?それってどういうことですか?
同意してはダメです。
同意した時点で事実上道路として使用することを許可したことになります。
なるほど・・・。私はもう半分パニック状態なので自分ひとりだったら協定通路へ同意しちゃったかもしれません。
そうこうしているうちに13時のタイムリミットが近づいてきており建築業者はかなり苛立ってきました。
さっきからヘラヘラ笑いながら話してんじゃないよ!
こっちは真剣なんだよ!
真剣に話してますよ。
こういう顔なんですよ。
このまま検査済証を発行しないで責任取れるんですか?
施主の人生がかかってるんだよ!
途中から建築業者のBさんのほうが怒鳴り声を上げて警察呼ばれるんじゃないかとヒヤヒヤしました。。。
結局区役所の窓口の前で役所担当者とKBIの担当者とで電話をさせて以下の2点を後日対応することで検査済証を発行するということに落ち着きました。
- 区有通路との境界に鋲を設置
- 区有通路側に土間を打設
一応検査済証自体は上記の話がまとまったその日のうちに発行されました。。。
金融機関の決済についてもリミットの13時ギリギリに実行するよう伝えて結果的には予定通りに全ての作業を終えた形になります。
土間打設については元々行う予定でしたので特段問題はなく、区有通路との境界に鋲を設置というのはおそらく赤線の端に鋲を設置することになると思います。
鋲の設置は練馬区が要請してきたもので私は任意で設置に応じますが、設置費用って練馬区に負担してもらえないんですか?
うーん。鋲の設置が検査済証発行の条件となってしまったので練馬区に負担してもらうのは難しいと思います。
というわけで想定外の鋲設置費用が降りかかってきましたが、土地家屋調査士への報酬として10万円程度で設置できるみたいです。
まとめ
というわけで検査済証が下りない旨の連絡が来て対応した内容について記載しました。
「結局役所はなんでNGを出していたの?」と聞かれても「わかりません」としか答えようがありません。
ただ今回のことで学んだのは必ずしも建築確認が受理されてその内容に沿って建築しても思わぬところで横槍が入ることがあるってことです。
最後のリスクヘッジとして、将来的にセットバックを求められたとしても対応できるよう建築面積を若干抑えて申請していたのですが、セットバックしない前提で限界まで大きな建物を建てていたらイザセットバックを求められた場合に詰んでいたかもしれません。
結局土地から新築するにあたっては最後まで何が起きるかわからないのでそれなりにリスクがあるなって感じました。
我々投資家は土地を少しでも有効活用しようと法律の制限ギリギリを攻めた建物を建てようとしちゃいますが、あまりギリギリを攻めすぎると今回のような足元をすくわれかねない気もしました。
次回はこれまで書いてきました「3棟目アパート」の竣工について記載しようと思います。
物件の写真についても可能な限り掲載しようと思っています。
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