概要
前回、土地の売買契約を締結後に想定していた建物が建築できないことが発覚したことを書きましたが、今回は建築できなくなってしまった土地の建築計画を方針転換した内容について記載します。
土地の活用方法について
もともと下記のような各階3部屋の単身物件の建築を想定して建築会社とやり取りをしていました。
- 単身物件(20㎡)
- 4階建て
- 12部屋
自治体の建築制限で大規模建築物を建てる際に20㎡のような単身物件が建てられないことがわかりましたので、各階2部屋で計画変更せざるを得なくなりました。
さらに、具体的な内容は伏せますが共用設備を設ける必要が出てきたので4階建てのRCを建てる際には以下のように12部屋から7~8部屋へと大幅に居室数が減ってしまい収益的にはほぼ成り立たなくなってしまいます。

この時点で選択肢としては以下のような感じでした。
- そのまま転売(築10年の家屋付き)
- 築10年の家屋をそのまま賃貸で貸す
- 木造3階建てを建てる
- RCでの建築を続行
1の転売ですが少なくとも買った値段+αでは売れたと思うので損することはなかったと思います。
2の賃貸ですが収益的に結構微妙だったのでそのまま賃貸で貸すことはほぼ考えていませんでした。
3の木三共を建てた場合の利回りは6%後半程度だったのであまりメリットは感じませんでしたが、土地の活用方法がほかにない場合は木造で建築して運営しても損することはないとは思っていました。
自分としてはせっかく土地を購入したので少しでも収益的に成り立つRCでの建築を模索しようと考えました。
地階と5階建ての検討
一般的に土地から新築で利回りを上げるためには少しでも大きな建物を建てる必要があります。
大きな建物を建てるためには建物を少しでも縦にも横にも広げることを検討します。
今回購入した土地は緩和後の建蔽率100%で、民法に抵触しないギリギリまで建築面積を取る予定だったのでこれ以上広げることは難しい状況でした。
ですので建物を上下に広げることを検討しました。
具体的には地下部分を造ることと、地上5階建ての建物にすることで延床面積を稼ごうと思いました。
地階のデメリット
パッと思いつく地階のデメリットはこのような感じです
- 湿気が出る
- 光が差し込まず暗い
- 建築費が上がる
- 入居者が見つかりづらい
一応メリットとしては音が響きづらいのでペットや楽器OKの部屋にすることもアリらしいのですがメリットはほとんどないです
5階建てのデメリット
小規模な物件でエレベーターを造ることは非現実的なのでエレベーターなしで5階建ての物件ですと階段で5階まで上がらないといけないので、こちらも賃貸に出しても入居者が見つかりづらいのでは?と考えていて5階建ての建築には割と否定的でした。
方向転換後のプラン
上記のように地階や5階建てにすることで建築費もかなり上がりますし、入居者が果たして見つかるのかといった様々な懸念事項がありましたが収益的に成り立たせるためにはなりふり構っていられなかったので地階+地上5階建てで建築業者に検討してもらうことになりました。

結論としては地階を造ることが得意なRC業者が見つかりましたので、そちらの業者に地階+地上5階建てのプランでボリュームを入れてもらうことになりました。
指定容積率は300%なのですが、このプランが成り立った場合の容積率は300%を余裕で超えてしまうのですが地下緩和を受けられるため地下部分が全て容積率の計算対象外になることがメリットとしてあります。
さらに居室が1LDK~2LDKの物件になるので入居者が見つかりやすくなるというのもメリットでした。
ご存じの通り単身物件は飽和状態なのに対して1LDK~2LDKといった物件(特に2LDK)は供給不足なため競争力はかなり上がります。
個人的にはもう単身物件と木造住宅は造りたくなかったので利回りは下がりますが広めの物件に方針転換することは割とすんなり受け入れられました。
デメリットとしては当初の計画より延床面積が大幅に増えるため建築費も比例して上がります。地階を造るため建築費はさらに上がります。。。
延床面積を増やしたところで地階や5階に需要がどこまであるのか不安もありましたがこのような感じで方針転換して計画を続行することになりました。



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