概要
所有物件における購入時から現在までの損益とキャッシュフロー(以下、CF)を公開します。
私がブログを書き続けている一番の目的は下記となります。
不動産賃貸業に関する土地購入・建物建築・法人設立・賃貸運営を行っていく過程をリアルタイムに報告することによって不動産経営は本当に上手くいくのか立証すること
従って現在所有している物件について賃貸運営が上手くいっているのか失敗しているのか公開することにしました。
所有物件の概要や売却済み物件の最終的な損益については下記に載せています。
損益とCFの考え方
所有物件の最終損益は当たり前ですが売却しないと判明しません。
ただ所有物件が現時点において儲かってるのか?損してるのか?を把握しておくことは重要です。
現時点で損している可能性が高く今後も改善の見込みが薄い場合は損切りという選択も必要です。
不動産経営を行っていると毎月のCFばかりに目を奪われます。
毎月のCFが出ていても残債の減少より物件価格の下落が上回り、売却後のトータルではマイナスだった!なんてことはあり得ます。
逆に毎月のCFが全然でなくても残債の返済がかなり進んでいて、売却後のトータルではプラスだった!なんてこともあり得ます。
毎月のCFは返済期間を長く設定するか短く設定するかで全然変わってくるのでCFだけで上手くいっているか判断するのは危険です。
一方で毎月のCFが多ければ突発的な支出にも耐えられますし、通帳に現金が貯まれば次の融資も受けやすくなります。
要はCFが多いほうが運営中は安定するので望ましいのですが最終的な損益はわからないのでCF至上主義みたいな考え方は危険というのが言いたいわけです。
損益の定義
私がこのページで定義する損益の考え方は下記となります。
(累積CF + 売却価格) - (自己資金 + 残存借入額 + 売却時諸費用)
括弧の前半が収入で括弧の後半が支出ですので、収入 - 支出 ≒ 損益という考え方です。
項目 | 備考 | 具体例 | |
+ | 累積CF | 運営中収入 | 3000万円 |
+ | 売却価格 | 売却時収入 | 1億円 |
ー | 自己資金 | 購入時支出 | 1000万円 |
ー | 残存借入額 | 売却時支出 | 8000万円 |
ー | 売却諸費用 | 売却時支出 | 400万円 |
最終損益 | +3600万円 |
累積CF
購入時から現時点までのCFの合計額です。
毎月のCFは家賃収入等の収入から運営費等の支出の差額が通帳に貯まっていき、年に1度法人税や固都税などでドカンと通帳から減っていきます。
節税のために生命保険に入ったり経営セーフティ共済などに入っている場合はともかく私の場合は特段何もやってないので現在通帳に貯まっている金額が累積CFに近い数字になっています。
売却価格(想定)
現在売却した際の価格がどのくらいなのか?を常に把握しておくことは重要です。
CFがそこそこ出ていても返済が全然進まず、残債の減少より物件価格の下落が上回るようだとタコ足配当状態となります。
売却価格の想定ですが都内、駅近、築浅アパートの売出価格は現在でも6~6.5%程度です。
実現性が高い収益還元価格として、一律7%で計算することにします。
従って土地から利回り9%程度のアパートを建てれば買った瞬間から利益が出る状況ですが、逆に利回り5%程度の建売アパートを買わされれば買った瞬間から損失が出ることになりますのでリカバリーが大変になります。
自己資金
物件を購入する際に自己資金を出すべきか否かはよく議論されますが損益という観点ではどっちでも構いません。
物件価格の一部を先に払うか運営中に払うか売却時に払うかの違いでしかありません。
私の場合は最初に購入したアパートはフルでしたがそれ以降は自己資金を出しています。
残存借入額(残債)
残存借入額がどのくらいあるかは金融機関から明細が送られてくるはずなのでそちらを確認するか、ローンシミュレーターなどで計算する方法もあります。
売却時諸費用
諸費用は売却時の仲介手数料として3%+6万円に消費税を加えたものや印紙税を想定しています。
消費税が10%になれば諸費用も負担になりますね。
売却益がもし発生したら譲渡所得税か法人税がかかりますが簡略化するためこのページでは省きました。
所有物件損益
前置きが長くなりましたがここから所有物件の数字を公開します。
2020年5月時点での損益となります。
東京都杉並区トランクルーム
項目 | 備考 | 金額 | |
+ | 累積CF | 運営中収入 | 1561万円 |
+ | 売却価格※ | 売却時収入 | 916万円 |
ー | 自己資金 | 購入時支出 | 700万円 |
ー | 残存借入額 | 売却時支出 | 0万円 |
ー | 売却諸費用 | 売却時支出 | 40万円 |
現時点での損益 | +1737万円 |
※この物件のみ築古なのとトランクルームという特殊性のため売却価格を表面利回り20%と高めに設定しています。
トランクルームは運営を始めた時も大変でしたし保証会社を入れてないので現在も定期的な滞納者に対する催促などは毎月行っており、契約者が多いが単価が安いため正直あまり儲かってないです。。。
11年苦労して運営して1700万円のプラスかあ・・・っていうのが正直な感想です。
ただトランクルームという特性上、築年数に依存せず今後も安定的に収益を上げてくれるはずなので貴重な固定収入としてこれからも運営していくつもりです。
東京都練馬区1棟アパート
項目 | 備考 | 金額 | |
+ | 累積CF | 運営中収入 | 2,225万円 |
+ | 売却価格 | 売却時収入 | 22,285万円 |
ー | 自己資金 | 購入時支出 | 100万円 |
ー | 残存借入額 | 売却時支出 | 15,500万円 |
ー | 売却諸費用 | 売却時支出 | 750万円 |
現時点での損益 | +8,160万円 |
ブログの中で通称「1棟目アパート」と記載しているものです。
こちらのアパートは竣工後5年経過して家賃収入合計は約8000万円頂いているのですが、返済比率が高いのでCFは2200万円強しかないです。
ただ借入期間が比較的短いので現時点での利益はソコソコ出ています。
こちらのアパートは築10年程度経過時に売却しても良いですし、売れないようならボロボロになるまで保有します。
東京都小金井市1棟アパート
項目 | 備考 | 金額 | |
+ | 累積CF | 運営中収入 | 1,860万円 |
+ | 売却価格 | 売却時収入 | 21,246万円 |
ー | 自己資金 | 購入時支出 | 5,060万円 |
ー | 残存借入額 | 売却時支出 | 15,513万円 |
ー | 売却諸費用 | 売却時支出 | 700万円 |
現時点での損益 | +1,833万円 |
ブログの中で通称「2棟目アパート」と記載しているものです。
こちらのアパートは竣工後2年経過して家賃収入合計は3200万円程度頂いていて返済比率がひくいのと消費税還付を受けたのでCFは1900万円近く貯まってます。
ただ2019年春に借り換えを行っていて違約金等が300万円?程度かかっていて違約金等も含めて新たに借りたため借入金がほとんど減っていません。。。
また時期的な問題もあって「1棟目アパート」と違って最も相場が高い時期に建てたのでそもそもあまり高利回り物件でもないので建てた瞬間から利益が出るって物件じゃないです。
そんなこともあって現時点での利益はほとんど出ていないと言っていいと思います。
ただ違約金を払って1%未満の金利に借り換えたのでこの物件は長期保有したほうが有利だと思いますので基本的にはボロボロになるまで持ち続けるつもりなので今後は利益がガンガン増えていくと思います。
東京都練馬区1棟アパート
項目 | 備考 | 金額 | |
+ | 累積CF | 運営中収入 | 338万円 |
+ | 売却価格 | 売却時収入 | 14,500万円 |
ー | 自己資金 | 購入時支出 | 3,665万円 |
ー | 残存借入額 | 売却時支出 | 8,200万円 |
ー | 売却諸費用 | 売却時支出 | 485万円 |
現時点での損益 | +2,488万円 |
ブログの中で通称「3棟目アパート」と記載しているものです。
現時点(2020年5月)ではまだ元本返済が始まっていないので借入額は1円も減っていません。
単純に表面利回り9.2%で建てて利回り7%で売却してしまえば建築時点で含み益が発生しているという形になりますが、コロナショックによる物件相場下落が鮮明になれば絵にかいた餅となります。
東京都江東区区分①
項目 | 備考 | 金額 | |
+ | 累積CF | 運営中収入 | 185万円 |
+ | 売却価格 | 売却時収入 | 1,508万円 |
ー | 自己資金 | 購入時支出 | 1,625万円 |
ー | 残存借入額 | 売却時支出 | 0万円 |
ー | 売却諸費用 | 売却時支出 | 55万円 |
現時点での損益 | +13万円 |
売却価格を一律表面利回り7%と高めに設定しているので現時点ではほぼトントンという計算結果になりましたがこの物件は競売で1,600万円で購入した築5年の好立地な区分なので、一般で売買すれば間違いなく2,000万円以上では売れると思います。
売買相場は2,160万円〜2,360万円程度らしいです。
区分だけは今でも売買は好調みたいですね。
東京都江東区区分②
項目 | 備考 | 金額 | |
+ | 累積CF | 運営中収入 | 175万円 |
+ | 売却価格 | 売却時収入 | 1,422万円 |
ー | 自己資金 | 購入時支出 | 1,270万円 |
ー | 残存借入額 | 売却時支出 | 0万円 |
ー | 売却諸費用 | 売却時支出 | 52万円 |
現時点での損益 | +275万円 |
こちらの物件はまだ所有2年なのであと3年強保有して長期譲渡税率になったら売却予定です。
キャッシュフローの定義
ここからは全物件の税引前キャッシュフローを公開します。
単純に満室時の賃料収入 - 支払(借入金返済 + 管理費等支払)※
のみとしています。
※実際は税金(固都税・所得税・法人税等)、修繕費、運営費などの経費がかかりますが年次毎に変動要素が強いため除いています。
あと私の物件は築浅物件が多いのと自主管理をしているので修繕費や運営費はそこまで多くはかかっていません。
所有物件CF
2020年時点
物件名称 | 月額収入 | 月額返済 | 返済比率 | 月額CF | 租税公課 | 税引後年額CF |
トランクルーム | 152,800 | 27,400 | 17.93% | 125,400 | 30,000 | 1,474,800 |
1棟目アパート | 1,301,000 | 753,130 | 57.89% | 547,870 | 2,090,000 | 4,484,440 |
2棟目アパート | 1,239,400 | 478,626 | 38.62% | 760,774 | 2,100,000 | 7,029,288 |
3棟目アパート | 846,000 | 230,000 | 27.1% | 616,000 | 334,700 | 7,392,000 |
区分① | 88,000 | 7,100 | 9.29% | 75,290 | 70,000 | 833,480 |
区分② | 83,000 | 7,710 | 8.07% | 80,900 | 50,000 | 920,800 |
合計 | 3,710,200 | 1,503,966 | 40.5% | 2,206,234 | 4,674,700 | 21,800,108 |
月額CF:単純に月額賃料から金融機関返済や管理費等を引いたもの
租税公課:固都税、法人税等の年額
税引後年間CF:月額CFを年額換算して租税公課を差し引いた値
まとめ
というわけで現在所有物件について賃貸運営が上手くいっているのか失敗しているのか立証するために損益を公開することにしました。
所有物件が現時点で儲かってるのか損してるのか把握しておくことは重要です。
「トランクルーム」と「1棟目アパート」以外の物件はまだ成功しているとは言い難い状況です。
「トランクルーム」や「1棟目アパート」は既に何年も保有しているため利益が積みあがっていっているのですが、それ以外の物件は取得して間もないためまだ微妙な状態ですがもう数年経過したらもっと利益が積みあがっていくと思っています。
私の場合はアパート以外の物件は現金で購入したり管理や確定申告などを自分で行って経費を抑えていますがそれでもまだ安泰ってレベルには至っていないのが現状です。