法人から個人へどのように資産を移動すべきか?

法人経営

概要

レゴリスさんから下記の質問が来ましたので私なりの考え方を書いてみました。

法人から給与を支払うと社会保険料等を収める必要があると思うのですが、
これってどのように整理されましたでしょうか?
自分もどのタイミングでどのような形で資産管理法人のお金を使うか悩んでいたので・・。

基本的な考え方

私自身が社会保険の支払いや、資産管理法人のお金をどのように考えているかは下記になります。

実効税率の低い方へ蓄積

保険・年金は極力払わない

個人と法人の実効税率の違いは下記となります。
概ね個人の所得が500万円を超えると法人のほうが税率が低くなります。

最近はアパートを購入するならまず法人でといった流れとなっていますが、法人を設立して節税となる場合は個人で相当収入が高い方に限られます。

また、不動産投資をする際に税率の高い個人ではなく税率の低い法人で購入するという判断は正しいと思うのですが、そのあとどうしたらいいのか?ってことは私も含めて皆様悩んでおられることかと思います。

従って下記で書くことが必ずしも正解とは限りません。

※似たような話を過去に記載したことがあるので参考に載せておきます

私の例

会社員時代

私は会社員時代でも大した給料は貰っていませんでした。

ただ最初に建築したアパートからの所得が年間600万円程度発生することがわかっていたのと消費税還付を受ける必要があったので法人を設立しました。

仮に会社員を辞めないで現在所有しているアパートを全て個人で購入していたら実効税率は40%程度まで跳ね上がっていたと思います。

実際に法人設立後の実効税率はこのような感じでした。

役員報酬は取っていませんでした。

仮に役員報酬を取ってしまうと社会保険への加入義務が生じます。

社会保険に関しては勤務先のものに加入させられているので敢えて加入する必要はないと思います。

また、法人の財産を個人に移すことで法人の実効税率は上記表からも下がることはありませんが個人の税率が上がってしまうだけなので意味のない行為だと思っていました。

それ以外にも法人として実績を積んで融資を継続的に受けたい思いがあり、極力法人の見た目をよくしたかったので報酬を受け取らなかったりとか、ブログに書けない理由など色々あってこのようにしてました。

会社員退職後

会社員を退職したあとの個人の実効税率は大幅に下がりました。

こうなると「法人より個人の実効税率のほうが低いので多少は法人から個人へ資産を移したほうがいいのでは?」という判断となります。

それとは別に会社員を辞めたあとは年金と保険に加入する義務が生じます

会社員を辞めたあとの数か月は会社員時代の社会保険の延長加入手続きをして払っていましたが会社員時代と違って会社が半分払ってくれないので結果的に結構高い金額を払っていました。

そこで資産管理法人から役員報酬を月額5万円貰うことにして最低金額の社会保険と厚生年金に加入することにしました。

あとは「3棟目アパート」の購入を個人にすることにしたので、実効税率の低いほうへ資産を蓄積するようにしています。

私の場合ですが下記表の「健康保険料」と「厚生年金保険料」と「子供子育て拠出金」というのを合計した月額23011円のみ払っています。

税法的にはこの金額を資産管理法人と個人で折半して払う形となります。

役員報酬を月額5万円とした場合の年間収入は60万円となりますが給与所得控除額が年間65万円ありますので所得はゼロとなります。

従って役員報酬を月額5万円とする方は結構多いのですがそれなりに合理的な理由があるのです。

現時点では法人から個人へ資産を移す目的で役員報酬を払っているというよりは社会保険へ最低金額で加入できる目的で払っているという形になります。

将来について

ただ月額5万円しか役員報酬を払わないと法人で蓄財した資産はいつまで経っても個人に移せません。

法人で資産を蓄積している限りは自由にお金を使えないのでどこかのタイミングで法人から個人へ資産を移していかなければいけないです。

私の場合は既に個人の税率が低いので役員報酬の額を増額するか役員賞与を与えるなどして法人から個人へ資産を移したほうがいいかな?と思っています。

会社員が資産管理法人を立てて不動産投資をされている方は多いと思いますが、会社員を続けながら不動産投資をするのって蓄財するうえでは相性が良いので定年まで辞めないという方もいっぱいいると思います。

それ自体は否定しませんが、個人の実行税率が高い限りにおいて法人から個人に資産を移すことはデメリットが大きいので移すタイミングとしては個人が会社員をリタイアした後のほうがいいのかな?と思います。

あとは「役員退職金」を使って所得税率の低い退職所得扱いで法人から個人に一気にお金を移す方法もありますが、役員退職金として設定できる金額には厳密な計算式があるのと、物件売却した年に多額の法人税が発生した年にうまくぶつけるなど工夫したほうが効率的だと言われています。

まとめ

というわけで私自身が健康保険や資産管理法人から個人にどういったタイミングでお金を移すかの考え方について記載しました。

質問に対する回答になっていなければそもそも意味がないのですが・・・

コメント

  1. ぴおほう より:

    興味深い記事です。私もほぼ同じ考えですが、税務に関しては税理士にアドバイスをもらっています。今 2社目を設立(不動産以外の事業)したのですが、こちらは別の税理士さんにお願いします。(2人の税理士から違う観点からビジネスと税務のアドバイスが欲しいため)ヨッシーさんは税理士さんにお願いするお考えはないのでしょうか?私も簿記2級程度の知識はあるのですが、なにせめんどくさいのと、その時間をビジネスの市場調査の時間に使いたいのと、税務調査等あった時のために利用しています。会社設立の際にも あれ これ 設立後〇ケ月以内に出さないといけないの?なんてのがあったり 自分でやるの結構メンドクサイです(笑)

    • ヨッシー より:

      ぴおほうさん

      ご無沙汰しております。

      「餅は餅屋」って言いますので税務処理に関しては専門家に任せちゃうほうが合理的だとは思います。

      私の場合は2法人+2個人(私と妻)の確定申告を毎年する必要があるので
      毎年4つの確定申告を提出する必要があります。
      従って顧問契約も含めた全てを税理士に任せちゃうと金額だけで年間結構な額になっちゃうんですよね。

      私の方針としては税務処理を自分でやる代わりに危ない節税はしないってスタンスでやってるので仮に税務調査に入られても致命的なことはおきないかな?って思ってます。

      あとはぴおほうさんみたいに別ビジネスをやっているわけじゃないので結構時間は膨大にあるので極力独力でやることで税務方面の知識も付けていきたいって思いが強いです。
      不動産賃貸業って同じルーティンを何十年にわたってやっていくので一度知識を身に着けちゃえばあとは何とかなるかな?って思ってます。
      確かに各種手続きって面倒くさいんですよね。

  2. レゴリス より:

    ヨッシーさん、有難うございます。なるほど、確かにサラリーマンと専業では立ち位置が違うので、コスト戦略も違いますもんね。非常に勉強になりました。有難うございます。

    • ヨッシー より:

      レゴリスさん
      例えばお子様がいらっしゃるなら、法人に資産を蓄積したままにしておいて、レゴリスさんが高齢になったタイミングでお子様に事業継承してしまうことも検討したほうがいいかもしれません。
      https://www.kenbiya.com/ar/cl/taidan/tc-keisyou/60.html
      このあたりの話はみな悩むところですよね。

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